人間は指が左右で10本あったので、10進法が一般的になったと言われます。では日常生活全てのことが10進法かというと、時計の表記は1~12, 1分は60秒、1時間は60分、1週間は7日、1年間は365日など身の回りはn進法あふれています。本事例では、まず、日常生活での10進法以外の数を見つけます。そして児童がゲームなどで使うコンピュータが用いる2進法と、普段使う10進法の両方を同時にカウントするプログラムを作ります。2進法は0と1の2つの数字とメガネ2個でできますが、10進法は0~9の10個の数字とメガネが10個必要で、2進法の方が作業的・視覚的にも手間が少ないのがわかります。そこからコンピューターが2進法を使うこと考えていく探求的な活動です。
教科 | 関連とコメント |
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総合的な学習として | 学習指導要領解説総合的な学習偏/第4章/(9)には、プログラミングを体験しながら論理的思考力を身につけるための学習活動を行う場合には、プログラミングを体験することが、探究的な学習の過程に適切に位置づくようにすること・・・とあります。この活動に入る前に、算数で習ってきた10進法と違うn進法の世界の探究的な学習を行います。興味付けとしてよくある「2進法マジック」等を紹介します。また、時計の表示が12まであること、分や秒は60数えると1つ増えること、7日で1週間、約30日前後で1カ月、12カ月で1年、365日で1年・・・など、身近にあふれる10進法ではないn進法を見つける学習を行うことで、数の概念の多様な捉え方を促します。 |
プログラミング | 学習指導要領解説総則編/第3節/1主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善/(3)コンピュータ等や教材・教具の活用、コンピュータの基本的な操作やプログラミングの体験/イ児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身につけるための学習活動/に「また、小学校においては特に、情報手段の基本的な操作の習得に関する学習活動およびプログラミングの体験を通して論理的思考力を身につけるための学習活動を、カリキュラム・マネジメントにより各教科等の特質に応じて計画的に実施すること・・・とあります。ビスケットを教科内の学習で行う活動(V-EXLIPS)は、各教科等の特質に応じて学習内容をコンピュータに処理をしてもらうためのプログラミング的思考(自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけばより意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力)を育成する活動です。また、学習指導要領解説総合的な学習偏/第4章/(9)には、プログラミングを体験しながら論理的思考力を身につけるための学習活動を行う場合には、プログラミングを体験することが、探究的な学習の過程に適切に位置づくようにすること・・・とあります。2進法2進法が使われている例としてコンピュータを挙げます。さらにコンピュータが2進法を採用している理由を考えさせ、「1(オン)か0(オフ)」で表現する方が電気回路として容易であることや、「2,3,4,5,6,7,8,9」という数字を使わずに1桁ごとに「0か1」のたった2通りを使って桁数を増やすだけで表現力は変わらないという面を、プログラミングで表現する活動です。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
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教科として | プログラムを作ってみてコンピュータの数の数え方と人間の数え方を比べる探求的な学習の過程において,身の回りにも10進法以外の数え方があることに気づいている。 |
プログラミング教育として | 2進法プログラムを作る活動を通して、コンピュータの内部で2進法が使われていることを知り、2進法の便利さに気づいている。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
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教科として | コンピュータの数え方である2進法と自分たちがよく使う10進法の共通点と相違点を比較し、それぞれの良さについて考えている。 |
プログラミング教育として | 2進法と10進法で数えるプログラムを完成させるために、どのような動きの組み合わせが必要であるかを論理的に考えている。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
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教科として | 個人・ペア・グループなど学習形態を変え、友だちの考えから学ぶ機会を設定するとともに、コンピュータのことについて学ぶ際に、書籍やインターネットで調べる調べだけではなく、様々な学習の仕方を体験し、よりよい学習方法を探って行こうとしている。 |
プログラミング教育として | コンピューターの仕組みに興味・関心を持ち、コンピュータの凄さや便利さを自分の学習や生活に生かしていこうとしている |
※ビスケットの操作が初めての場合は、「学校でビスケット3」や自由制作を行ってから本案を実施してください。教科の学びをさらに深めたい場合は調べ学習を別コマで行ってください。機材環境がPCの場合は、児童のマウス操作の習熟度合いにもよりますが、1.5〜2倍の作業時間を想定してください。
流れ | 時間 | 活動内容 | 教師の動き | 指導上の留意点 |
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体験する | 15分 | 教師によるデモを見ながら2進法プログラムを,個人(ペア、グループ)で作ってみる。 | sample program2進法について確認し、2進法プログラムのデモをする(または動画を見せる。)全メガネが載っているチートシート兼ワークシートを作っておき、デモ後にそれを配布する。 | 2進法を始めてみる児童は、なぜ0と1しかないのか不思議がるが、ここではあまり深く教えこまず、コンピューターがそうやって数えていることだけを伝える。 |
ふりかえりをシェアする | 5分 | 個人(ペア、グループ)で、モデルプログラムを作った中でどんなことが起こったかを、教科やプログラミングの視点でふりかえる。全体でシェアする。 | オリジナルを作ることを知らせ、児童の感想や疑問の発言を促し、関心・意欲を高める。 | コンピュータと人間の数え方の共通点と相違点を比べ、それぞれの良さをおさえる。 |
オリジナルを考える | 5分 | 2進法または自分がつくりたいn進法プログラムを決定し、ワークシートにメモしておく。 | 2進法またはn進法に関する資料等を準備しておき、板書したり配布したりする。机間指導で児童の進捗状況を把握する。決定に時間がかかっている児童には、作りやすいモデルを提案し、活動を促す。 | 2進法を理解した児童の中には3進法、4進法・・・などを作ってみたくなる児童がいることが想定できる。その場合は適宜アドバイスをしながら、チャレンジをサポートする。 |
トライアル&エラー | 20分 | 個人(ペア、グループ)で自分のプログラム作成に取りかかる。早くできた児童はワークシートにまとめを書き、友だちのサポートに回る。交流はその都度行う。 | 机間指導で児童の進捗状況を把握する。紹介したいプログラムを見つけたら紹介する。(ワークシートは教科についてのふりかえりとプログラミングのふりかえりの両方が簡潔に記入できるものを準備しておく。) | 2進法自体にとまどっている児童がいることが想定できる。その場合は、1週間に7日あることを想起させ、10進法ではない例を示して理解を促す。 |
視点 | 指導上の留意点 |
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教科として | このプログラムを作る活動だけでも10進法と2進法の違いはわかるが、大切なのはプログラムを作ることではなく、数に対する探求な学習である。児童が身の回りの10進法以外n進法について気づき、興味関心を高めた上でコンピュータと2進法についての理解が深まるよう取り組ませたい。 |
プログラミング教育として | 活動に個人差があるので、早く終わった児童は他の児童から求められた時には教えにいくようにすると、学級作りとしても教え合う集団作りができる。教える際は、手を出して代わりに作るのではなく、やり方を説明した後、質問した児童本人が考えて手を動かすような教え合いができることが求められる。 |
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コンピュータの絵を描きます。※コンピュータとわかれば何でも良いです。⬇️
人の絵を描きます。※人とわかれば何でも良いです。⬇️
2進法(コンピュータの世界)での数字を青で書きます。2進法なので、「0」「1」のみ書きます。⬇️
10進法(人間の世界)での数字を赤で書きます。10進法なので0〜9まで書きます。⬇️
1ずつたすためのボタン、「+1」を書きます。⬇️
コンピュータ、人、2進法の「0(青)」と10進法の「0(赤)」、「+1」をステージに置きます。⬇️
メガネを1つ出し、メガネの左に「+1」とタッチマーク、左は図のように2進法の「1(青)」と「+1」と10進法の「1(赤)」を入れます。⬇️
2進法のたし算をまず作ります。メガネの左に青の「0」を入れ青の「1」を重ね、右は青の「1」を入れます。次は左に青の「1」を入れもう一つ青の「1」を重ね、右は「10」を入れます。2進法の「0」に2進法の「1」をたすと2進法の「1」、2進法の「1」に2進法の「1」をたすと2進法の「10」になるという命令です。⬇️
10進法のたし算のメガネは、左に0を入れ1を重ね右に1を入れる、左に1を入れ1を重ね右に2を入れる、左に2を入れ1を重ね右に3を入れる、左に3を入れ1を重ね右に4を入れる、左に4を入れ1を重ね右に5を入れる…のように作っていきます。最後左に9を入れ1を重ね、右は0を入れ一桁左に1を入れます。(見た目には右に10を入れたように見えます。)⬇️