文を構成する単位として、「主語」と「述語」という言葉が初めて出てくるのが小学校2年生です。この概念は、今後の国語の読解力にも大きく関係してくるので、早い時期に習得してもらいたいところですが、実際は得意不得意があり、授業も説明口調になりがちです。児童の興味関心を高める活動としてプログラミングを活用し、複数の「主語」と「述語」のミスマッチを発生させ、出来上がった文を楽しむ活動です。
教科 | 関連とコメント |
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国語 | 学習指導要領解説/第3章/第1節1[知識及び技能]/(1)カには、「文の中における主語と述語の関係に気付くこと」とあります。このプログラムを作る活動を通して、主語と述語がミスマッチな文を楽しみながら、主語と述語が適切な係り受けの関係になるのが伝えたいことを相手に正確に伝える上で重要であると気付くきっかけになります。 |
プログラミング | 学習指導要領解説総則編/第3節/1主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善/(3)コンピュータ等や教材・教具の活用、コンピュータの基本的な操作やプログラミングの体験/イ児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身につけるための学習活動/に「また、小学校においては特に、情報手段の基本的な操作の習得に関する学習活動およびプログラミングの体験を通して論理的思考力を身につけるための学習活動を、カリキュラム・マネジメントにより各教科等の特質に応じて計画的に実施すること・・・とあります。ビスケットを教科内の学習で行う活動(V-EXLIPS)は、各教科等の特質に応じて学習内容をコンピュータに処理をしてもらうためのプログラミング的思考(自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけばより意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力)を育成する活動です。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
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教科として | 主語と述語を、文章構成の要素として分類し、見通しを持って正しく組み立てる活動を通して、様々な主語と述語や文の構成に興味・関心を持ち正しく理解している。 |
プログラミング教育として | 国語の学習ゲームなどは、一定の手順で組み立てられたプログラムにより作られていること気づいている。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
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教科として | 主語と述語を、文章構成の部品にしてプログラミングで表現する活動を通して、適切な主語と述語の組み合わせを判断し、既習事項を用いて表現している。 |
プログラミング教育として | 主語と述語をランダムに表示して簡単な文章を完成させるために、どのような動きの組み合わせが必要であるかを論理的に考えている。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
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教科として | いろいろな主語と述語を設定し、偶然できあげる主語と述語だけの文章の面白さを感じ取り、豊かな発想で自分の考えを表現している。 |
プログラミング教育として | 国語の学びにプログラミングを取り入れる活動を通して、コンピューターの便利さを学習に活かし、自らの思考のプロセス等を客観的に捉えている。 |
※ビスケットの操作が初めての場合は、「学校でビスケット3」や自由制作を行ってから本案を実施してください。教科の学びをさらに深めたい場合は調べ学習を別コマで行ってください。機材環境がPCの場合は、児童のマウス操作の習熟度合いにもよりますが、1.5〜2倍の作業時間を想定してください。
流れ | 時間 | 活動内容 | 教師の動き | 指導上の留意点 |
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体験する | 15分 | 教師によるデモを見ながら主語と述語プログラムを,個人(ペア、グループ)で作ってみる。 | 題材とする主語と述語の文を確認し、主語と述語プログラムのデモをする(または動画を見せる。)全メガネが載っているチートシート兼ワークシートを作っておき、デモ後にそれを配布する。 | 「主語」と「述語」のポイントが分かるように例文を板書したりワークシートを準備したりしておく。 |
ふりかえりをシェアする | 5分 | 個人(ペア、グループ)で、モデルプログラムを作った中でどんなことが起こったかを、教科やプログラミングの視点でふりかえる。全体でシェアする。 | オリジナルを作ることを知らせ、児童の感想や疑問の発言を促し、関心・意欲を高める。 | 「主語」と「述語」のポイントを理解しているか、定義を再度おさえる。 |
オリジナルを考える | 5分 | 自分がつくりたい主語と述語プログラムに使用する漢字を決定し、成り立ちを確認してワークシートにメモしておく。 | 主語と述語に関する資料等を準備しておき、板書したり配布したりする。机間指導で児童の進捗状況を把握する。決定に時間がかかっている児童には、作りやすいモデルを提案し、活動を促す。 | 友だちの名前や他人を傷つける恐れのある言葉、品のない表現は避けることを確認する。 |
トライアル&エラー | 20分 | 個人(ペア、グループ)で自分のプログラム作成に取りかかる。早くできた児童はワークシートにまとめを書き、友だちのサポートに回る。交流はその都度行う。 | 机間指導で児童の進捗状況を把握する。紹介したいプログラムを見つけたら紹介する。(ワークシートは教科についてのふりかえりとプログラミングのふりかえりの両方が簡潔に記入できるものを準備しておく。) | 実行結果が「主語」と「述語」の文になっているか確認し合うよう声かけをする。 |
視点 | 指導上の留意点 |
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教科として | 児童が選ぶ主語や述語の内容については、個人の名前や情報、見る人が不快になるものにならないよう、活動の前に声かけをしておく必要がある。こちらの事例は、従来通りの活動実施後に取り組むことでより学習に対する関心・意欲が高まるものと思われるので、従来通りの学習を否定するものではなく、理解を深化させる活動の一環として行うと効果的であると考える。 |
プログラミング教育として | このプログラムではコンピュータが動く仕組みの「順次」「条件分岐」を学ぶことができる。小学校プログラミング教育の手引(第二版)では、「情報活用能力の育成を図るための学習活動の充実を図ることとして『児童がプログラミングを体験しながら、コンピューターに意図下処理を行わせるために必要な論理的思考力を身につけるための学習活動』を行うことと規定されている。「順次」「反復」「条件分岐」という語句はこうした活動の中で体験的に学ぶことであり、語句字体の意味や言い方を学ぶの必要はないが、発達段階に応じて、自分や友だちが作成したプログラムを分析するような学習活動を行う時などにラベリングとして紹介して行くことが可能である。 |
歯車マークをタップして背景色を変えます。最下段のバーでマス目にします。⬇️
主語のボックスを描きます。丸い描画ウインドに長方形が内接するくらいの大きさにします。
次に同様に、述語のボックスを描きます。※「述」という時は小5で習いますが、下の学年で行う際もラベリングとして使用すると述語という概念の定着に良いと思います。
ステージに主語ボックスが左、述語ボックスが右に接するくらいに配置して、何セットか並べます。ここでは8セット並べています。
人に関数する主語を書きます。ここでは「ぼく」を主語にしています。※このプログラムを通して、人に関するものだけではなく、動物、食べ物、その他のものごとなど、色々な言葉を主語に設定して準備します。
動物に関する主語を書きます。ここでは「犬」を主語にしています。
一般的なものごとに関する主語を書きます。ここでは「サッカー」を主語にしています。
食べ物に関する主語を書きます。
「ぼくは」に続く述語を書きます。
「犬は」に続く述語を書きます。
「サッカーは」に続く述語を書きます。
「すいかは」に続く主語を書きます。
メガネを4つ出し、左に主語ボックスとタッチマーク、右に4種類の主語を入れます。このメガネはランダム選択されるので1/4の確率でどれか1つの主語が出現します。
メガネを4つ出し、左に述語ボックスとタッチマーク、右に4種類の述語を入れます。このメガネはランダム選択されるので1/4の確率でどれか1つの述語が出現します。以上で、主語述語プログラムの完成です。