この活動はハテナボックスをタップするとランダムで「ドレミファソラシド」が鳴り、どの音が鳴ったかを当てる音階クイズプログラムを作る活動です。ハテナマークから変化した音符ボックスをタップすると鳴った音の正解の階名が現れます。ソルフェージュの「聴音」につながる要素であり、かなり発展的な内容とも取れますが、鳴った音に耳をすませてその音階を当てるのは、クイズとしても盛り上がる上に、どの音が鳴ったのか聴覚に意識を集中して音楽に対する感性を働かせるきっかけとなる活動です。音の響きや他の音との比較から、一音でも鳴った音を当てることができた時の児童の喜びは、「できた!」という成功体験につながり、そのささやかな自信はそのまま音楽的な関心・意欲につながっていくことでしょう。
教科 | 関連とコメント |
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音楽 | 学習指導要領解説音楽編/第2章/第1節/1教科の目標/表現及び鑑賞の活動を通して、音楽的な見方・考え方を働かせ、生活や社会の中の音や音楽と豊かに関わる資質・能力を次の通りに育成することを目指す とあります。同時にここでは「音楽的な見方・考え方とは、『音楽に対する感性を働かせ、音や音楽を、音楽を形づくっている要素とその働きの視点で捉え、自己のイメージや感情、生活や文化などと関連づけること』であると考えられる。」とあります。音階クイズプログラムで音を捉えていく時、児童の音楽に対する感性が働き、こうした細かい感性を働かせることによって音楽に対する感性が一層育まれていくきっかけとなります。さらに、第4章/ウ児童が様々な感覚を働かせて音楽への理解を深めたり、主体的に学習に取り組んだりすることができるようにするために、コンピュータや教育機器を効果的に活用できるように工夫すること とあります。音階クイズプログラムの作成は、個人・集団で聴覚や視覚を働かせ、音とその音階を探り当てようと試行錯誤をするので、「主体的・対話的な学び」が実現しやすい活動です。 |
プログラミング | 学習指導要領解説総則編/第3節/1主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善/(3)コンピュータ等や教材・教具の活用、コンピュータの基本的な操作やプログラミングの体験/イ児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身につけるための学習活動/に「また、小学校に置いては特に、情報手段の基本的な操作の習得に関する学習活動およびプログラミングの体験を通して論理的思考力を身につけるための学習活動を、カリキュラム・マネジメントにより各教科等の特質に応じて計画的に実施すること・・・とあります。ビスケットによる「プログラミングと教科の経験学習」(V-EXLIPS)は、各教科等の特質に応じて学習内容をコンピュータに処理をしてもらうためのプログラミング的思考(自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけばより意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力)を育成する活動です。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
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教科として | 音楽的な刺激に対して、階名で判断し、音色に対する感性を働かせることができる。 |
プログラミング教育として | タッチして特定の音がなるアプリケーションなどは、一定の手順でプログラムされたものだと気づくことができる。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
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教科として | 音楽を形作っている音階を聞き取り、その響きの違いを判断し美しさを感じ取っている。 |
プログラミング教育として | ボタンをタップするとランダムに音階が鳴って、正解の解明を表示するプログラムを作るために、どのような動きの組み合わせが必要であり、対応したパーツをどのように組み合わせて行くかを論理的に考えている。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
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教科として | 個人・ペア・グループなど学習の形態を変え、友だちの考えから学ぶ機会を設定するとともに、自分の感性を働かせる様々な学習の仕方を体験し、より良い学習方法を探って行こうとしている。 |
プログラミング教育として | 音楽の学びにプログラミングを取り入れる活動を通して、コンピューターの便利さを学習に活かし、自らの思考のプロセス等を客観的に捉えている。 |
※ビスケットの操作が初めての場合は、「学校でビスケット3」や自由制作を行ってから本案を実施してください。教科の学びをさらに深めたい場合は調べ学習を別コマで行ってください。機材環境がPCの場合は、児童のマウス操作の習熟度合いにもよりますが、1.5〜2倍の作業時間を想定してください。
流れ | 時間 | 活動内容 | 教師の動き | 指導上の留意点 |
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体験する | 15分 | 教師によるデモを見ながら音階プログラムを,個人(ペア、グループ)で作ってみる。 | 音階を板書したり資料を配布して確認し、音階プログラムのデモをする(または動画を見せる。)全メガネが載っているチートシート兼ワークシートを作っておき、デモ後にそれを配布する。 | 音符マークは回転させると音階が変わることをおさえ、回転操作のスキルに不安がある場合は練習の時間を取る。 |
ふりかえりをシェアする | 5分 | 個人(ペア、グループ)で、モデルプログラムを作った中でどんなことが起こったかを、教科やプログラミングの視点でふりかえる。全体でシェアする。 | オリジナルを作ることを知らせ、児童の感想や疑問の発言を促し、関心・意欲を高める。 | 音階を正しくセットするために、わからないときは鍵盤ハーモニカや電子ピアノなどで音を鳴らしてサポートすることを伝えておく。 |
オリジナルを考える | 5分 | 自分がつくりたい音階プログラムに使用する音階を決定し、ワークシートにメモしておく。 | 音階に関する資料等を準備しておき、板書したり配布したりする。机間指導で児童の進捗状況を把握する。決定に時間がかかっている児童には、作りやすいモデルを提案し、活動を促す。 | ドレミファソラシドの音を判断できない児童には、鍵盤ハーモニカや電子ピアノで音を鳴らし、同じ響きの音を探って聴覚の感性を働かせるよう声かけする。 |
トライアル&エラー | 20分 | 個人(ペア、グループ)で自分のプログラム作成に取りかかる。早くできた児童はワークシートにまとめを書き、友だちのサポートに回る。交流はその都度行う。 | 机間指導で児童の進捗状況を把握する。紹介したいプログラムを見つけたら紹介する。(ワークシートは教科についてのふりかえりとプログラミングのふりかえりの両方が簡潔に記入できるものを準備しておく。) | 早くできた児童には、さらにオクターブ上や下の階名を組み込むことを提案し、創作意欲の向上を促す。 |
視点 | 指導上の留意点 |
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教科として | プログラムに使われる音はデジタルの単音であり、階名の理解には十分であるが、表現力を育成し、音楽に対する感性を一層育み関心意欲を高めるためには、実際の楽器の響きが大切であり、児童の要請があればいつでも教師または児童が何らかの楽器で音を鳴らせるよう準備しておく。 |
プログラミング教育として | 活動に個人差があるので、早く終わった児童は他の児童から求められた時には教えにいくようにすると、学級作りとしても教え合う集団作りができる。教える際は、手を出して代わりに作るのではなく、やり方を説明した後、質問した児童本人が考えて手を動かすような教え合いができることが求められる。 |
歯車マークを押し、背景色を変更、最下段のバーでマス目の設定にします。⬇️
出題のためのハテナボックスを描きます。このボックスをタップすると、「ドレミファソラシド」のいずれかがランダムで鳴るようにプログラムを作っていきます。⬇️
答えの音階をふさぐ音符ブロックを作ります。※フタとして機能すれば図柄は何でも良いです。⬇️
メガネを8つ出します。⬇️
「ドレミファソラシド」をの8つの文字をそれぞれ書いていきます。上の「ド」には、分かるように何らかの目印をつけておきます。⬇️
左にはハテナブロックを入れ、右には「ドレミファソラシド」を入れていきます。⬇️
左のすべてのメガネにタッチマークを入れ、右は音符ブロックですべてフタをします。さらにメガネを1つ追加し、左に音符ブロックとタッチマークを入れ、右には何も入れません。この最後に追加したメガネは、音符ブロックのフタをタップするとフタが消える命令であり、その実行結果として下に隠されていた階名が出現する仕組みです。⬇️
右中段の回転ボタンを押し、回転モードにします。音符マークを出して、ドレミファソラシドの音階を順次セットして行き、音階と対応するメガネの右側に入れて行きます。⬇️
ステージにハテナブロックを5〜6個程度並べたら完成です。⬇️