生物と環境の基本(生物は酸素を吸って二酸化炭素を出す、植物は光が当たると二酸化炭素を取り入れて酸素を出す)のまとめプログラムです。このプログラムを作る活動は、気体検知管での酸素や二酸化炭素の検出を行った後に、地球規模での二酸化炭素の出入りをプログラムで表現します。実験が行いにくい活動ですので、映像や図書などの資料をもとに、簡単なプログラムでシミュレートしてイメージを膨らませ、学習内容の理解を促します。モデルプログラムを組んだ後は、人や動物、木や自動車、酸素の数などを各自で設定したプログラムを作成し、全体でシェア・交流することで、主体的・対話的で深い学びを生み出しやすい活動です。
教科 | 関連とコメント |
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理科 | 学習指導要領解説理科編/第3章/第4節第6学年の目標及び内容/2第6学年の内容/B生命・地球/(3)生物と環境ア(ア)生物は、水及び空気を通して周囲の環境と関わって生きていること。ア(ウ)人は、環境と関わり、工夫して生活していること。・・・では、「ここでの指導に当たっては、観察、実験が行いにくい活動については、児童の理解の充実を図るために、映像や模型、図書などの資料を活用することが考えられる。(ア)については、水の循環や酸素と、二酸化炭素の出入りを図で表現するなど、生物と環境との関わりについて考えたり、説明したりする活動の充実を図るようにする。」・・・とあります。これらの活動を通して生物は酸素を吸って二酸化炭素を吐き出しているが、植物は光が当たると二酸化炭素を取り入れて酸素を出すなど、生物が空気を通して周囲の環境と関わって生きていることを捉えます。また、人の生活について、環境との関わり方の工夫に着目して、持続可能な環境との関わり方を多面的に調べ、人の生活が環境に及ぼす影響を少なくする工夫について考え、社会科と関連を持たせ、教科横断的な学習に発展させることでできます。理科や社会科、総合的な学習の時間にこのプログラムを作る活動を組み込むことで、主体的・対話的で深い学びをねらいます。 |
プログラミング | 学習指導要領解説総則編/第3節/1主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善/(3)コンピュータ等や教材・教具の活用、コンピュータの基本的な操作やプログラミングの体験/イ児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身につけるための学習活動/に「また、小学校に置いては特に、情報手段の基本的な操作の習得に関する学習活動およびプログラミングの体験を通して論理的思考力を身につけるための学習活動を、カリキュラム・マネジメントにより各教科等の特質に応じて計画的に実施すること・・・とあります。ビスケットによる「プログラミングと教科での経験学習」(V-EXLIPS)は、各教科等の特質に応じて学習内容をコンピュータに処理をしてもらうためのプログラミング的思考(自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけばより意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力)を育成する活動です。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
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教科として | あらかじめもっている空気についてのイメージを気体検知管の実験や資料から読み取ったことと意味づけしたり関連付けたりすることを通して、酸素と二酸化炭素の循環を理解している。 |
プログラミング教育として | シミュレーターのようなアプリは、一定の手順で組み立てられたプログラムであることに気づいている。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
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教科として | 光合成や酸素と二酸化炭素の循環を考え、森林などの植物の大切さを理解し、人の生活が環境に負荷をかけており、持続可能な環境を構築していくには生活の工夫が大事であることに考えを巡らせている。 |
プログラミング教育として | 生物と環境のプログラムを作り、酸素と二酸化炭素の循環をシミュレートするために、1つ1つの動きに対応したパーツやプログラムをどのように組み合わせたら良いのか論理的に考えている。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
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教科として | 生物の生活に欠かせない酸素と必ず発生する二酸化炭素の循環を支えているのが植物であることを捉え、調べたり考えたりする中で持続可能な環境の構築のために生活でできることを探っていこうとしている。 |
プログラミング教育として | 理科の学びにプログラミングを取り入れる活動を通して、コンピュータの便利さを学習に生かし、自らの思考のプロセスを客観的に捉えている。 |
※ビスケットの操作が初めての場合は、「学校でビスケット3」や自由制作を行ってから本案を実施してください。教科の学びをさらに深めたい場合は調べ学習を別コマで行ってください。機材環境がPCの場合は、児童のマウス操作の習熟度合いにもよりますが、1.5〜2倍の作業時間を想定してください。
流れ | 時間 | 活動内容 | 教師の動き | 指導上の留意点 |
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体験する | 15分 | 教師によるデモを見ながら生物と環境(空気)プログラムを,個人(ペア、グループ)で作ってみる。 | 題材とする光合成や酸素と二酸化炭素の循環の資料でポイントを確認し、生物と環境(空気)プログラムのデモをする(または動画を見せる。)全メガネが載っているチートシート兼ワークシートを作っておき、デモ後にそれを配布する。 | 光合成や酸素と二酸化炭素の循環がわかりやすい写真や動画などを提示したり板書したりして、モデルプログラムを組み立てる際にポイントをおさえる。 |
ふりかえりをシェアする | 5分 | 個人(ペア、グループ)で、モデルプログラムを作った中でどんなことが起こったかを、教科やプログラミングの視点でふりかえる。全体でシェアする。 | オリジナルを作ることを知らせ、児童の感想や疑問の発言を促し、関心・意欲を高める。 | 生物が呼吸で酸素を取り込み、二酸化炭素を吐き出し、植物が光合成により、二酸化炭素を取り込み酸素を吐き出していることを確認し、質問を交えて全体でシェアする。 |
オリジナルを考える | 5分 | 自分がシミュレートする木、酸素、人、動物、自動車の数などを決定し、予想をワークシートにメモしておく。 | 光合成や酸素と二酸化炭素の循環に関する資料等を準備しておき、板書したり配布したりする。机間指導で児童の進捗状況を把握する。決定に時間がかかっている児童には、作りやすいモデルを提案し、活動を促す。 | 細部の描画にこだわりすぎている児童がいたら、図工と理科のスケッチの違いを説明して、光合成や酸素と二酸化炭素の循環をまとめる勉強であることを確認する。 |
トライアル&エラー | 20分 | 個人(ペア、グループ)で自分のプログラム作成に取りかかる。早くできた児童はワークシートにまとめを書き、友だちのサポートに回る。交流はその都度行う。 | 机間指導で児童の進捗状況を把握する。紹介したいプログラムを見つけたら紹介する。(ワークシートは教科についてのふりかえりとプログラミングのふりかえりの両方が簡潔に記入できるものを準備しておく。) | 早くできているが、理科の授業としての「生物と環境(空気)」のポイントを押さえていない場合は、良いところを褒めながら描画について質問をしたり、そのように描いた理由などを説明させたりして気づかせ、プログラムの修正を促す声かけをする。 |
視点 | 指導上の留意点 |
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教科として | ペアやグループなど、学習形態を工夫し、より多くの児童が主体的・対話的で深い学びを実現できるよう配慮する。この活動までに、理科の授業として大切な観察を十分に行い、自然に対する自然に対する興味・関心を高め、規則性や差異点を分析する視点を養い、理解を深化させる活動の一環として行う。また、シミュレートで使う木、人、動物、酸素、自動車の数は、光合成や酸素と二酸化炭素の循環の概要を理解するためのものであり、シミュレートから実際の環境のデータを導き出すことはできないことを押さえておく。 |
プログラミング教育として | 活動に個人差があるので、早く終わった児童は他の児童から求められた時には教えにいくようにすると、学級作りとしても教え合う集団作りができる。教える際は、手を出して代わりに作るのではなく、やり方を説明した後、質問した児童本人が考えて手を動かすような教え合いができることが求められる。 |
歯車マークを押し、背景色を変更、最下段のバーで最大のマス目の設定にします。⬇️
木を描きます。⬇️
ステージに木を並べます。※並べる数はお好みで設定してください。⬇️
マス目と同じくらいの大きさの酸素を描きます。⬇️
同様にして、二酸化炭素を描きます。⬇️
ステージに酸素を並べます。※並べる数はお好みで設定してください。⬇️
人を描きます。⬇️
動物を描きます。※ここでは猫にしていますが、もちろん動物はなんでも良いです。⬇️
人と猫をステージに並べます。※並べる数はお好みで設定してください。⬇️
自動車を描きます。⬇️
自動車をステージに並べます。※並べる数はお好みで設定してください。⬇️
人と猫と自動車の動きを作ります。ここではいずれも左のメガネの場所から左右に1マスずつらして右のメガネに入れます。※動きはお好みで設定してください。⬇️
左のメガネは人、猫、自動車を酸素を重ねて入れます。右のメガネは人、猫、自動車を1マスずらして置き、酸素があった場所に二酸化炭素を入れます。これで、「人や動物が酸素を取り入れ二酸化炭素を排出する」「自動車が酸素を燃焼に使い、二酸化炭素を排出する」という命令ができます。⬇️
切り株を描きます。※木をタップして減らすプログラムをのために必要になります。⬇️
左のメガネは木の上にタッチマークを重ねます。右のメガネは切り株を入れます。これで「木をタップすると伐採する」命令が出来上がりです。⬇️
今度は植林する命令です。苗木からの成長途中の木を描きます。切り株→途中の木→木というアニメーションにするためです。⬇️
左のメガネには、切り株を入れ、右のメガネには成長途中の木を入れます。
次は画像一番右下のように左のメガネは成長途中の木、右のメガネは木を入れます。⬇️
入れ忘れていました。忘れやすいのですが、苗木の上にタッチマークを入れます。この画像の一番下のメガネのように左右に気を入れ、左に二酸化炭素、右に酸素を入れます。光合成」のはらたきの命令です⬇️
メガネを2つだし、酸素と二酸化炭素の動きの命令を作ります。※お好みで方向やスピードを調整してください。⬇️
最後に設定画面の最下段のバーを一番左にして「マス目なし」にします。これで完成です。「マス目なし」にすると、動きが滑らかになります。※初めから「マス目なし」にしていなかったのは、パーツを配置するときに「マス目あり」の方が置きやすいからです。⬇️