1年生の児童が「10」までの数で「序数性」を理解した後、日常生活において十進位取り記数法を一番使う場面といえば「お金」を計算する場面ではないでしょうか?1円の積み重ねは「序数性」、10円、100円、1000円、10000円のまとまりは「基数性」の現れであり、数の概念形成において、「お金」の計算は「序数性」と「基数性」を養う場面です。このプログラムでは10円、100円、1000円のフォルムを用いて、「価格表示」などの日常のお金の場面を想起させながら、プログラムを用いて十進位取り記数法の基本を養う活動です。
教科 | 関連とコメント |
---|---|
算数 | 学習指導要領解説算数編/第2章/第2節/2各領域の内容の概観/A数と計算/(3)「A数と計算」の領域で育成を目指す資質・能力では、「第2学年から第4学年では、数のまとまりに着目し、十進位取り記数法により数を表すこと、数を十、百、千、万などを単位としてみること」とあります。日常生活で想像しやすい硬貨や紙幣のフォルムで数のまとまりを描画し、プログラミングで数の単位が10個ずつまとまると位が上がることを楽しみながら学ぶことができます。 |
プログラミング | 学習指導要領解説総則編/第3節/1主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善/(3)コンピュータ等や教材・教具の活用、コンピュータの基本的な操作やプログラミングの体験/イ児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身につけるための学習活動/に「また、小学校に置いては特に、情報手段の基本的な操作の習得に関する学習活動およびプログラミングの体験を通して論理的思考力を身につけるための学習活動を、カリキュラム・マネジメントにより各教科等の特質に応じて計画的に実施すること・・・とあります。ビスケットを教科内の学習で行う活動(V-EXLIPS)は、各教科等の特質に応じて学習内容をコンピュータに処理をしてもらうためのプログラミング的思考(自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけばより意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力)を育成する活動です。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
---|---|
教科として | 10円100円の数のまとまりに着目し、十進位取り記数法に興味・関心を持ち正しく理解している。 |
プログラミング教育として | タップして動くアプリは、一定の手順で組み立てられたプログラムにより作られていること気づいている。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
---|---|
教科として | 10や100が10個まとまると位が上がることを表現するために、必要な要素をパーツにしてプログラミングで表現する活動を通して、1年生で習った算数をベースに十進位取り記数法が展開されていく便利さに気づき、規則性を見出したり、既習事項を用いて表現している。 |
プログラミング教育として | 10と100のまとまりを使って十進位取り記数法を表現するプログラムを完成させるために、どのような動きの組み合わせが必要であるかを論理的に考えている。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
---|---|
教科として | 個人・ペア・グループなど学習の形態を変え、友だちの考えから学ぶ機会を設定するとともに、算数の学習をノートに練習する反復学習のみと捉えず、様々な学習の仕方を体験し、より良い学習方法を探って行こうとしている。 |
プログラミング教育として | 算数の学びにプログラミングを取り入れる活動を通して、コンピューターの便利さを学習に活かし、自らの思考のプロセス等を客観的に捉えている。 |
※ビスケットの操作が初めての場合は、「学校でビスケット3」や自由制作を行ってから本案を実施してください。教科の学びをさらに深めたい場合は調べ学習を別コマで行ってください。機材環境がPCの場合は、児童のマウス操作の習熟度合いにもよりますが、1.5〜2倍の作業時間を想定してください。
流れ | 時間 | 活動内容 | 教師の動き | 指導上の留意点 |
---|---|---|---|---|
体験する | 15分 | 教師によるデモを見ながら10円100円プログラムを,個人(ペア、グループ)で作ってみる。 | 10円100円プログラムのデモをする(または動画を見せる。)全メガネが載っているチートシート兼ワークシートを作っておき、デモ後にそれを配布する。 | 青枠をタップする度に10ずつ、赤枠をタップする度に100ずつ増えていることをおさえる。 |
ふりかえりをシェアする | 5分 | 個人(ペア、グループ)で、モデルプログラムを作った中でどんなことが起こったかを、教科やプログラミングの視点でふりかえる。全体でシェアする。 | オリジナルを作ることを知らせ、児童の感想や疑問の発言を促し、関心・意欲を高める。 | 10が10個で100増えていることをおさえる |
オリジナルを考える | 5分 | 自分がつくりたい10円100円プログラムをワークシートにメモしておく。 | プログラム作成に関する資料等を準備しておき、板書したり配布したりする。机間指導で児童の進捗状況を把握する。決定に時間がかかっている児童には、作りやすいモデルを提案し、活動を促す。 | 見やすいものを作るには、カラフルにするより、色を絞り込んだ方が良いことをおさえる。 |
トライアル&エラー | 20分 | 個人(ペア、グループ)で自分のプログラム作成に取りかかる。早くできた児童はワークシートにまとめを書き、友だちのサポートに回る。交流はその都度行う。 | 机間指導で児童の進捗状況を把握する。紹介したいプログラムを見つけたら紹介する。(ワークシートは教科についてのふりかえりとプログラミングのふりかえりの両方が簡潔に記入できるものを準備しておく。) | 100を10個集めて1000を作りたい児童がいたら、どうすれば良いかををまず考えさせてから作らせる。 |
視点 | 指導上の留意点 |
---|---|
教科として | 発展内容になるが、1000以上の数にチャレンジしたくなった児童がいる場合、学習進度に拘らず適宜アドバイスをしながらチャレンジさせ、せっかく高まった児童の興味関心を削ぐことのないよう配慮する。 |
プログラミング教育として | 活動に個人差があるので、早く終わった児童は他の児童から求められた時には教えにいくようにすると、学級作りとしても教え合う集団作りができる。教える際は、手を出して代わりに作るのではなく、やり方を説明した後、質問した児童本人が考えて手を動かすような教え合いができることが求められる。 |
歯車マークをタップ、背景色を変更し、最下段のバーで右から二番目のマス目にします。速さは一番早く(うさぎ)しておきます。⬇️
10円や100円のおはじきを縦に10個アレイ図のように並べるための目盛りを描きます。123,456,789と下から縦方向に描きます。⬇️
456の場合⬇️
789の場合⬇️
10だけ1つです。これで目盛りは完成です。⬇️
作った目盛りをステージに縦に並べます。⬇️
青い枠を描きます。※色は何でも良いです。⬇️
赤い枠を描きます。※先ほどの枠とちがう色であれば良いです。⬇️
10円のおはじきを作ります。※描画に凝りだす児童もいますので、時間が押しそうな時は提示用の描画はシンプルにした方が良いです。⬇️
100円のおはじきを作ります。⬇️
1000円のおはじきを作ります。※ここでは札を意識して四角にしています。⬇️
メガネを2つ出します。左右とも青枠、赤枠をそれぞれ入れます。左のみタッチマークを入れ、左が青枠のメガネの右には10円おはじきを、左が赤枠のメガネの右には100円おはじきを入れます。これで、青枠をタップすると10円が、赤枠をタップすると100円がそれぞれ1枚重なって増えます。
メガネをさらに2つ出します。青枠、赤枠をタップして増えた10円と100円おはじきを縦に並べていくための命令です。2枚重なると1枚上に並びます。
メガネをもう2つだします。左は10円を10枚積み上げます。(続く)⬇️
先ほどのメガネの右側です。左の一番下の10円の1マス左に100円を1枚置きます。これで、縦に10円が10枚積み重なると100円に変換されます。※繰り上がりのように100円は必ず1マス左に置きます。⬇️
同じように、100円を10枚積み重ねると1000円になるようにします。これで9990円までカウントできます。ステージに青枠を右に、赤枠を左に並べて置くと完成です。⬇️