分数の大きさくらべは、同分母の真分数であれば、分子の大きさの比較をすれば簡単です。これに帯分数、仮分数、さらに異分母の要素が加わると、大小の判別は急に難しくなります。この学習は友だちに出題する分数の大小問題を作る活動と、作った後のお楽しみとして迷路クイズをプログラミングし、分岐の中に正解を1つ仕込む活動をミックスしたものです。友だちがまちがえやすい問題をいかに作るか、そしてその答えがなぜちがうかを考えてもらったり、大小の説明をしたりするところにこの活動の醍醐味があります。
教科 | 関連とコメント |
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算数 | 学習指導要領解説算数編/第3章/第4節/2第4学年の内容/A数と計算/A(5)同分母の加法、減法/イ思考力、判断力、表現力等/(ア)/数を構成する単位に着目して、分数の計算の仕方を考えることでは、「単位分数の個数に着目することによって、これまで学んできた整数と同じように大きさを比べたり、加法および減法の計算をしたりすることができるようになる」とあります。プログラミングを通して、単位分数の大きさを意識して問題を作ったり、友だちが作った問題を解いたりして楽しく分数に親しむことができます。 |
プログラミング | 学習指導要領解説総則編/第3節/1主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善/(3)コンピュータ等や教材・教具の活用、コンピュータの基本的な操作やプログラミングの体験/イ児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身につけるための学習活動/に「また、小学校に置いては特に、情報手段の基本的な操作の習得に関する学習活動およびプログラミングの体験を通して論理的思考力を身につけるための学習活動を、カリキュラム・マネジメントにより各教科等の特質に応じて計画的に実施すること・・・とあります。ビスケットを教科内の学習で行う活動(V-EXLIPS)は、各教科等の特質に応じて学習内容をコンピュータに処理をしてもらうためのプログラミング的思考(自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけばより意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力)を育成する活動です。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
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教科として | 分数の大きさ比べをするために、単位分数の分母に着目し、同分母や異分母の大きさの比較を正しく理解している。 |
プログラミング教育として | タップして動くアプリは、一定の手順で組み立てられたプログラムにより作られていること気づいている。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
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教科として | 単位分数の分母が小さいほど大きさが大きくなることをおさえ、大小比較のクイズをプログラミングで表現する活動を通して、これまで学習したことと関連付けながら分数の大きさ比較を理由づけて説明できる。 |
プログラミング教育として | 条件を分岐させるプログラムを完成させるために、どのような動きの組み合わせが必要であるかを論理的に考えている。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
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教科として | 個人・ペア・グループなど学習の形態を変え、友だちの考えから学ぶ機会を設定するとともに、算数の学習をノートに練習する反復学習のみと捉えず、様々な学習の仕方を体験し、より良い学習方法を探って行こうとしている。 |
プログラミング教育として | 算数の学びにプログラミングを取り入れる活動を通して、コンピューターの便利さを学習に活かし、自らの思考のプロセス等を客観的に捉えている。 |
※ビスケットの操作が初めての場合は、「学校でビスケット3」や自由制作を行ってから本案を実施してください。教科の学びをさらに深めたい場合は調べ学習を別コマで行ってください。機材環境がPCの場合は、児童のマウス操作の習熟度合いにもよりますが、1.5〜2倍の作業時間を想定してください。
流れ | 時間 | 活動内容 | 教師の動き | 指導上の留意点 |
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体験する | 15分 | 教師によるデモを見ながら分数迷路プログラムを,個人(ペア、グループ)で作ってみる。 | 題材とする分数を確認し、分数迷路プログラムのデモをする(または動画を見せる。)全メガネが載っているチートシート兼ワークシートを作っておき、デモ後にそれを配布する。 | 分岐に配置する分数の大きさを判別しにくいもの(分母や分子、表し方は違うが大きさが近い分数)を見つける学習であることをおさえる。 |
ふりかえりをシェアする | 5分 | 個人(ペア、グループ)で、モデルプログラムを作った中でどんなことが起こったかを、教科やプログラミングの視点でふりかえる。全体でシェアする。 | オリジナルを作ることを知らせ、児童の感想や疑問の発言を促し、関心・意欲を高める。 | 帯分数や仮分数を混ぜたり、分母を変えたりして、計算をしないとわかりづらい問題にすると面白いことをおさえる。 |
オリジナルを考える | 5分 | 自分がつくりたい分数迷路プログラムに使用する分数を決定し、大小を確認してワークシートにメモしておく。 | 分数の大小に関する資料等を準備しておき、板書したり配布したりする。机間指導で児童の進捗状況を把握する。決定に時間がかかっている児童には、作りやすいモデルを提案し、活動を促す。 | 分数の大きさ大小に間違いがないか、近くの友だちと確認し合う。 |
トライアル&エラー | 20分 | 個人(ペア、グループ)で自分のプログラム作成に取りかかる。早くできた児童はワークシートにまとめを書き、友だちのサポートに回る。交流はその都度行う。 | 机間指導で児童の進捗状況を把握する。紹介したいプログラムを見つけたら紹介する。(ワークシートは教科についてのふりかえりとプログラミングのふりかえりの両方が簡潔に記入できるものを準備しておく。) | 早く終わった児童には、面白くなるように工夫ができないか声かけをする。 |
視点 | 指導上の留意点 |
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教科として | 1000以上の大きな数を考える時、児童は何らかの馴染みのある数(例えば五千円札の5000など)以外は、断片的にしか捉えていないことがある。どんな大きな数も1ずつの積み重ねであることをおさえ、それを確かめるためにプログラムを活用することを伝える。 |
プログラミング教育として | 活動に個人差があるので、早く終わった児童は他の児童から求められた時には教えにいくようにすると、学級作りとしても教え合う集団作りができる。教える際は、手を出して代わりに作るのではなく、やり方を説明した後、質問した児童本人が考えて手を動かすような教え合いができることが求められる。 |
まずはパーツを作っていきます。正方形のマスを描きます。⬇️
正方形のマスをあみだくじのようにステージに並べます。⬇️
動かすキャラクターを描きます。⬇️
4つメガネを出します。左にキャラクターを入れ、タッチマークをそれぞれ上下左右に置きます。右はそれぞれ上下左右に1マスオフセットして置きます。⬇️
時間に余裕があれば「大きいのはどっち?」と入れましょう。⬇️
大きさ比べをしたい分数を書いていきます。分岐が3つあるので2つずつ3セット描き、大きさが近い分数を分岐に置いていきます。⬇️
正解のルートのゴールにカギを置きます。⬇️
コースのゴールに置く「?」を描いたフタを正方形で作ります。⬇️
ゴールにフタをします。⬇️
不正解の時に表示する×を描きます。⬇️
正解時に表示する花マルを描きます。⬇️
左に□とフタとキャラクターを入れ、右に□と×を入れます。カギがないゴールにキャラクターが着くと×を表示されます。
右に□と花マルと音符マークを入れます。正解時には花マルが表示され、音がなります。これで完成です。