手書きの感触を生かして描画でき、カラフルな色彩を自在に操れるビスケットは図画工作のデジタル表現ツールの1つと考えることができそうです。もちろん、「コンピュータ、カメラなどの情報機器を利用することについては、表現や鑑賞の活動で使う用具の一つとして扱うとともに、必要性を十分に検討して利用すること」ということ[小学校学習指導要領/第2章/第7節図画工作/第3指導計画の作成と内容の取扱い/2 第2の内容の取扱い/(10)を参照]を考慮する必要はあります。図画工作の目標は「児童自身に本来備わっている資質能力を一層伸ばし、表現及び鑑賞の活動を通して、造形的な見方・考え方を働かせ、生活や社会の中の形や色などと豊かに関わる資質・能力を育成することを目指す観点に立っている[学習指導要領図画工作編解説/第2章/第1節/図画工作の目標/1教科の目標を参照]とあることを読み解くと、カリキュラムマネジメントによってビスケットを活用した授業がさらに身近なものとなり、「子どもたちの個性を生かしたデジタルでの表現力」の育成が可能となります。
学年:小学校5〜6年
複数の色の重なりが生み出す様々な色彩をプロジェクターで空間に投射して造形遊びをする活動です。モデルプログラムでは色の三原色の「シアン」「マゼンタ」「イエロー」の三色の丸を重ねて様々な色彩を生み出します。水彩画での重ね塗りを想起させ、発展的な内容として色の三原色を扱うと、これまでの経験を生かして形や色による効果や投影する場所の様子の変化などをより深く考えることができます。試行錯誤の中で見つけた「自分が綺麗だと思う色・形・動き」を友だちと共有し、配置や場所の雰囲気などを比較・検討したり、友だちのプログラムの良さに気づいたりすることで、主体的・対話的で深い学びを目指します。モデルプログラムを体験した後は、児童それぞれが色や形、構成を考え色のハーモニーを楽しみながら表現します。
その他の事例も現在準備中です。