現代の子どもたちはパソコンやスマホ、ハイテクなゲーム端末等が当たり前に周囲にある生活を送っていますが、仕組みついてはどんどんブラックボックス化しています。Faxは送信側で黒いところを「1」、白いところを「0」に置き換え、受信側で「1」のところは黒で塗り、「0」のところは何も塗らないというのが基本的な仕組みです。ドットで文字を描いてそれを送信側がデータに変換して送り、受信側は受け取ったデータをもとにプリントする・・・ということを8つのメガネで表現します。
教科 | 関連とコメント |
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総合的な学習として | 学習指導要領解説総合的な学習編/第4章/(9)には、プログラミングを体験しながら論理的思考力を身につけるための学習活動を行う場合には、プログラミングを体験することが、探究的な学習の過程に適切に位置づくようにすること・・・とあります。児童にとっては生まれた時からある技術は特別なものと感じませんが、仕組みが分かっているわけではありません。例えば、スマートフォンやゲーム端末等で画面に映し出される映像は細かいドットで表現されています。ドットで文字や絵を表現する探究的な活動をプログラミングの前段階で行います。 |
プログラミング | 学習指導要領解説総則編/第3節/1主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善/(3)コンピュータ等や教材・教具の活用、コンピュータの基本的な操作やプログラミングの体験/イ児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身につけるための学習活動/に「また、小学校においては特に、情報手段の基本的な操作の習得に関する学習活動およびプログラミングの体験を通して論理的思考力を身につけるための学習活動を、カリキュラム・マネジメントにより各教科等の特質に応じて計画的に実施すること・・・とあります。ビスケットを教科内の学習で行う活動(V-EXLIPS)は、各教科等の特質に応じて学習内容をコンピュータに処理をしてもらうためのプログラミング的思考(自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけばより意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力)を育成する活動です。また、学習指導要領解説総合的な学習偏/第4章/(9)には、プログラミングを体験しながら論理的思考力を身につけるための学習活動を行う場合には、プログラミングを体験することが、探究的な学習の過程に適切に位置づくようにすること・・・とあります。ドットについての探究的な学習の後、比較的仕組みを理解しやすいFaxをプログラミングで表現する活動です。ドットで表現された文字が送信側でデータに変換され、受信側は送られたてきたデータをもとに印刷するしくみを8つのメガネ(命令)でプログラミングして、理解を深めます。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
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教科として | faxの仕組みについての探究的な学習の過程において,文字を黒と白のドットととらえる活動を通して、faxの送信側では画像を「黒」を「1],「白」を「0」のようにデータ変換し、受信側では送られたデータを還元する仕組みを理解している。 |
プログラミング教育として | faxプログラムを作る活動を通して、アニメーションは、一定の手順で組み立てられたプログラムにより作られていること気づいている。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
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教科として | 自分たちがよく使うゲーム端末やスマートフォンの画像表示がドットで表示されていることに気づき、ドットでのデータ送受信のしくみをfaxプログラムの作成をすることで理解を深めている。 |
プログラミング教育として | データを送受信するプログラムを完成させるために、どのような動きの組み合わせが必要であるかを論理的に考えている。 |
視点 | ねらい・評価規準 |
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教科として | 個人・ペア・グループなど学習形態を変え、友だちの考えから学ぶ機会を設定するとともに、身の回りの機器の仕組みを学ぶ際に書籍やインターネットで調べる調べだけではなく、様々な学習の仕方を体験し、よりよい学習方法を探って行こうしている。 |
プログラミング教育として | 身の回りの機器しくみの学びにプログラミングを取り入れる活動を通して、コンピュータの便利さを学習に生かし、自らの思考プロセス等を客観的に捉えている。 |
※ビスケットの操作が初めての場合は、「学校でビスケット3」や自由制作を行ってから本案を実施してください。教科の学びをさらに深めたい場合は調べ学習を別コマで行ってください。機材環境がPCの場合は、児童のマウス操作の習熟度合いにもよりますが、1.5〜2倍の作業時間を想定してください。
流れ | 時間 | 活動内容 | 教師の動き | 指導上の留意点 |
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体験する | 15分 | 教師によるデモを見ながらfaxプログラムを,個人(ペア、グループ)で作ってみる。 | faxに関する資料を配布して確認し、faxプログラムのデモをする(または動画を見せる。)全メガネが載っているチートシート兼ワークシートを作っておき、デモ後にそれを配布する。 | 事前学習等で、faxの実物(または動画等)が作動する様子などを見せて置き、どんな便利さがあるのかをポイントを把握させておく。 |
ふりかえりをシェアする | 5分 | 個人(ペア、グループ)で、モデルプログラムを作った中でどんなことが起こったかを、教科やプログラミングの視点でふりかえる。全体でシェアする。 | オリジナルを作ることを知らせ、児童の感想や疑問の発言を促し、関心・意欲を高める。 | 文字や図柄のドットを作る時の参考資料を準備しておく。 |
オリジナルを考える | 5分 | 自分がつくりたいfaxプログラムに使用する文字を決定し、ワークシートにメモしておく。 | ドットの入った紙を用意し、塗りつぶして文字を表現できるようにしておく。机間指導で児童の進捗状況を把握する。決定に時間がかかっている児童には、作りやすいモデルを提案し、活動を促す。 | 数字は「0」と「1」を使うことをおさえる。 |
トライアル&エラー | 20分 | 個人(ペア、グループ)で自分のプログラム作成に取りかかる。早くできた児童はワークシートにまとめを書き、友だちのサポートに回る。交流はその都度行う。 | 机間指導で児童の進捗状況を把握する。紹介したいプログラムを見つけたら紹介する。(ワークシートは教科についてのふりかえりとプログラミングのふりかえりの両方が簡潔に記入できるものを準備しておく。) | 児童によってはドット制作に凝りすぎる場合があるので、机間指導で進捗状況を把握し、サポートが必要な時は適切な声かけをする。 |
視点 | 指導上の留意点 |
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教科として | 生まれつき身の回りにある電化製品に対して児童は興味関心がなかったり、fax自体を知らず、使用したこともないことが想定される。さらにテレビやゲームなどの映像は高度にきめ細やかになったことにより、昔に比べて画像がドットで表示されていることを意識しづらい。まずは、子どもたちにとって身近なゲームのキャラなどを拡大した画像を用意し、人の手によってドットで表現されていることに気づかせたい。そうした気づきから、ドットでの描画の関心意欲を高め、ドットによる読み取りで書類を送受信できるfaxのしくみを考える活動に移りたい。 |
プログラミング教育として | 活動に個人差があるので、早く終わった児童は他の児童から求められた時には教えにいくようにすると、学級作りとしても教え合う集団作りができる。教える際は、手を出して代わりに作るのではなく、やり方を説明した後、質問した児童本人が考えて手を動かすような教え合いができることが求められる。 |
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白い正方形を描きます。送信する紙を意味しています。これはインクがないところを示し、「0」に変換される部分になります。⬇️
黒い正方形を描きます。送信する紙のインクがあるところを表しています。これは「1」に変換される部分になります。⬇️
「0」と「1」を描きます。白いところは「0」に変換、黒いところは「1」に変換します。
紫色で(白黒以外の色で)正方形を描きます。これはfaxの送信側を意味しており、ここを白や黒の正方形が通過する時「0」か「1」に変換されます。⬇️
ピンク色で(白黒と送信側faxの色以外で)正方形を描きます。これはfaxの受信側を意味しており、ここを「0」や「1」が通過する時「白(インクなし)」か「黒(インクあり)」に変換されます。「黒」に変換される部分はインクで印刷される部分です。⬇️
ステージに紫色正方形(送信側fax)を並べ、3マスくらい左にピンク色正方形(受信側fax)を並べます。⬇️
送信側faxの命令を作っていきます。メガネを1つ出し、左に白正方形を置きその上に紫正方形(送信側fax)を重ね、右は紫正方形の1マス左に「0」を置きます。これで白紙の部分が「0」に変換されることになります。⬇️
メガネを1つ出し、左に黒正方形を置きその上に紫正方形(送信側fax)を重ね、右は紫正方形の1マス左に「1」を置きます。これでインクの部分が「1」に変換されることになります。⬇️
受信側faxの命令を作っていきます。メガネを出し、左に0を置きその上にピンクの正方形(受信側fax)を重ねます。(続く)⬇️
右はピンクの正方形(受信側fax)の1マス左に白正方形を置きます。これで、「0」に変換されていた白紙の部分が再現されます。⬇️
メガネを出し、左に1を置きその上にピンクの正方形(受信側fax)を重ねます。(続く)⬇️
右はピンクの正方形(受信側fax)の1マス左に黒正方形を置きます。これで、「1」に変換されていたインクの部分が再現されます。⬇️
いよいよ送信する紙を作ります。ここでは「F」をドットで描いています。※図柄は何でも良いです。⬇️
メガネを2つ出し、左に白正方形を、右は1マス左にオフセットして白正方形を入れます。黒正方形の場合も同様に作ります。白正方形と黒正方形が左に1マスずつ動く命令です。⬇️
メガネを2つ出し、左に「0」を、右は1マス左にオフセットして「0」を入れます。「1」の場合も同様に作ります。「0」と「1」が左に1マスずつ動く命令です。これで完成です。⬇️